院長BLOG

2011.10.15更新

歯科医を目指している患者さんがいる。

大学6年生で国家試験の猛勉強中だ。

彼女が高校生の時、矯正治療をさせていただいた。

先日、矯正医を目指し奮闘中であるとメールを頂き、

なんだかとても嬉しい。

ずいぶん前だが、僕にも歯科大学に通っていた頃がある。

しかし、そこまではっきりとした将来像はなかった。

いつ明確に思ったのだろう?僕は今、通常抜くと言われる

『健全な歯を抜いたり削ったりしない矯正治療』をしているが、

その道に進むきっかけとなった出来事がある。

現在すでに潰れて存在しない美容クリニックでアルバイトを

したときのこと、見た目の改善のために言われるままに

健全な犬歯を抜き、健全な前歯を一度に6本も削ったのだ。

それは、日本の歯科で当たり前のようにされていることだが、

僕には耐えられなかった。

26歳の時、もう二度としないと心に誓った。

僕たちの使う歯を削る道具は、素晴らしい切れ味である。

昔は10分かかっていた作業が、1分で終わるであろうほど。

しかし、そのために体の中で最も硬い健康な歯を

簡単に削ることができるようになり、『審美治療』が流行っている。

美の追求に異論はないが、

歯科の道具を健全な歯を削る凶器にしたくはない。

僕が折に触れ、この恥ずべき話をするのは、

自分への戒めでもあり、いつまでも初心を忘れないためだ。

矯正治療を経験した彼女が歯科医となり、

歯科医療について話し合える時が来ることを、

心から楽しみにしている。

僕も襟を正し、今日も頑張ろう。

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

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