先日、東銀座の道沿いに朝顔が咲いていた。
朝顔を見ると思い出す人がいる。
小学校一年のときに友達になった子の家は、お花屋さんだった。
彼と仲良くなり、家に遊びに行くようになったある日、
彼のお父さんに朝顔の種をもらった。
僕は早速その種をまいた。
夏には紫色のきれいな朝顔が咲いた。
6年後、彼と僕は同じ中学で、また同じクラスになった。
入学して程なく、彼のお父さんは病気で亡くなった。
信じられなかった。
友達のお父さんが亡くなったことを理解できなかった。
今年の正月、名古屋に帰省したとき、彼と酒を飲んだ。
彼はいつも笑顔しか見せない人だ。35年ずっと変わらない。
彼の父は僕達くらいの年齢で死んでしまった。
何もなければ身体だって歯だって元気なはずの年だ。
僕が毎日かかわる「歯」は100年もつ構造になっている。
失うのは「不幸にして」だ。
治療という名目の上で、歯科医がむやみに歯を削り、
弱らせ、寿命を短くさせてはならない。
心して歯科医療に向き合うべきである。
最近になってようやくお互いの生前の父のことについて話せるようになった。
何故か遠慮があったのだ。
彼と父のことを話せて良かったと思っている。
死んだ人のことは大いに語るべきだと感じた。
いつまでも忘れずにいるために、思いを伝えるために。
誰しもに必ずメッセージがあると思う。
銀座の地で時を越えて朝顔が思い出させてくれた。
2012.08.24更新
歯マニアふるたの等身大
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