院長BLOG

2012.03.29更新

表情筋・咀嚼筋トレーニングとは、
顔に数多く存在する筋肉のトレーニングすることで、
ヒトが本来もっている力を引き出す、
どんな方にもぴったりのアンチエイジング法です。


顔の筋肉は私たちの皮膚を支え、
かつ生きるために非常に大切な役割をもっていますが、
ヒトはそれらの筋肉を普段十分に使っているとはいえません。


顔の筋肉は皮膚と皮膚をつなげている筋肉、
骨と皮膚とがつながれている筋肉でなっていて、
これらはとても支えが弱く、重力に引っ張られやすいのです。


そのために目尻が下がったり、頬が落ちてきたり、
口角が下がったり、フェイスラインが崩れたりと、
顔の形態に変化が起きてくるのです。


また、人は喜怒哀楽など、心の機微を表情として表すことができますが、
それも顔についている「表情筋」という筋肉の働きによるものです。


表情筋が固くなったり、いつも偏った表情筋の使い方をしていると、
いざ「いい顔」「いい表情」をつくろうと思っても、
なかなか思い通りにはいかなくなってくるのです。



顔の悩みあきらめていませんか? 



次の項目のような顔の悩みはありませんか?

表情が固い


表情が乏しい

怖い顔

きれいな笑顔がつくれない



タルミなど顔の老化

肌トラブル肌質などの美容上の悩み

ドライアイ(涙腺を刺激するため)

ドライマウス(唾液が出やすくなるため)



1つでもご自身の顔の悩みが当てはまった方は、
ぜひ表情筋・咀嚼筋トレーニングにトライしてみてください。


筋肉は衰えてしまっても、自分の力で動かすことによって、
張りが甦るという特性があるといわれています。


普段使っていない顔の筋肉をトレーニングすることで、
次のようなさまざまな嬉しい効果が期待できます。



素敵なスマイル、豊かな表情で好感度アップに

タルミやシワを予防してアンチエイジングに

顔を引き締め小顔美人に

肌のターンオーバーを促してきれいな素肌に

血色をよくして明るく元気な顔に

ドライアイやドライマウスの改善



元気なイキイキした顔で毎日を明るく健康に暮らすことは
自分だけでなく、周りの人をも幸せにすることでしょう。



効果を上げるポイント

顔はただやみくもに動かせばいいというものではありません。
筋肉の特性を理解して目的の筋肉を正しく動かしましょう。


筋肉に余分な力が入らないようにリラックスして、
ゆっくりと、動かしている筋肉を意識して、鏡を見ながら正確に行います。


そして継続することが大切なポイントです。


トレーニングを行う時間帯はとくに決まりはありませんが、
リラックスして筋肉もほぐれている入浴後がおすすめです。


ただし、効果を焦るあまりやりすぎるのは逆効果ですから、
疲れを感じたら休みながら行ってください。


正しい表情筋トレーニングを続けて、いきいきとした豊かな表情をつくりましょう。



(画像クリックで拡大)

当院では、専任講師を招いて、表情筋トレーニング講座を開催しております。

完全予約制です。


表情筋トレーニングについてのお問い合わせは >>>⇒ こちら

  講師紹介
今井みゆき
日本体育大学卒業
美容医学研究所ソシエテ・ヴィザージュ認定講師
フェイスニングインストラター

健康運動指導士
現代舞踊協会会員

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新

近年、歯並びを治すことに対してのニーズは増加し続けております。

また、自分の歯や家族の歯を大切に守ろうとする気運が高まっており、

矯正治療においても、歯を抜かないで治療して欲しい(非抜歯矯正)

という患者さんも増えてきているのではないでしょうか?

一般治療をしながら、矯正治療(特に難症例)に

取り組むのは、非常に気苦労も多く、

大変な思いをしている先生方もいらっしゃることと思います。

難症例でお困りの先生非抜歯矯正を求められているが、

なかなか踏み込めない先生方、

お気軽に当院までご相談下さい。

先生の患者さんの歯を守る矯正治療ができ、先生方の医院運営に、

少しでも貢献できましたら幸いです。

院長 歯学博士 古田 博久

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新

・ 小臼歯非抜歯で希望されているが難しい。

・ 床矯正をしているが、拡大だけでは治らない。

・ 矯正治療を始めたが、なかなか歯並びや
  咬み合わせがよくならない。

・ 多数歯埋伏で矯正治療を躊躇している。

・ 矯正治療途中だが、今後どうしたらよいか悩んでいる。


など......

もし、お悩みのケースがございましたら、ご相談下さい。

一緒に考えてみませんか?

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新

・ 矯正治療を行うにあたっての初期費用の軽減ができます。

・ 患者さんをご紹介して頂いた場合には、御紹介料をお支払いさせて頂きます。

・ 当院では外科処置をほとんどしません。インプラントもしておりません。
インプラント等をご希望の患者様は、貴院へ紹介させて頂くことも可能です。

・ 矯正治療終了後は貴院で補綴治療のサポートが可能です。

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新

デジタルセファロレントゲン

顎機能検査(CADIAXコンピューター・アキシオグラフ)

MPI(マンディブラー・ポジショニング・インジケーター)

オーストリアナソロジー・シークエンシャルオクルージョンに基づく小臼歯非抜歯矯正

床矯正、クリアアライナー、アソアライナー、
インビザライン、インコグニト舌側矯正

お問い合わせは、

・メール: info@ginza-miyukidori-dc.com

専用お問い合わせフォームはコチラ

・FAXでの矯正依頼、ご相談はこちら  03-5568-1850

PDFをダウンロードして、ご使用下さい。

 

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新



皆様は、歯科衛生士という職業をご存知ですか?

歯科衛生士とは、歯科医師とともに歯科医療を行う 「歯科の看護師」のような存在です。

以下の文章は、以前に(2008年)歯科衛生士の求人をしたときのものです。 わたしの歯に対する想い(ぜんぜん書き足りないですが)も入っています。 有資格者向けの言葉が含まれていますので読みにくいかも知れませんが、この文章にたどり着いていただいた「あなた」にも読んでいただきたいと、思っています。  




わたしたちは、一緒に楽しく働いてくれる  歯科衛生士 を募集しています。 これを読んで頂いているあなたは、仕事に対して意識の高い方でしょう。 わたしたちは、歯科衛生士という仕事に対して、意識の高いあなたを、必要としています。

そこで、あなたに、是非、知ってほしい事があります。 わたしたちの考えについてお話しますから、最後まで読んでくださいね。

いま、歯科業界では、予防歯科が、はやっています。 (一時のブームでないことを願います) 先日、スタッフ全員で行ってきた、東京デンタルショーでも予防歯科を扱っている業者がしのぎを削っていました。 8020運動も、随分、一般の皆さんに浸透してきました。

そこで、あなたに質問です。 一般的な、予防歯科の業務内容とは、なんですか?
① PMTC ② スケーリング ③ ブラッシング指導 ④ カリエス予防     

正解!! どこの歯科医院も力を入れようとしていますね。 わたしたちも、予防歯科は大切だと思っています。

ただ、他の歯科医院と少し違うのは、わたしたち、銀座みゆき通りデンタルクリニックでは、究極の予防を考えていることです。

なぜ、虫歯になるのか? なぜ、歯周病になるのか? よ~く考えてみてください。教科書には何て書いてあったかな...

 


バイ菌が、繁殖すると虫歯・歯周病になりやすくなります。 歯を磨かないと、バイ菌が増えますから、歯磨き、PMTCは、とても大切ですね! では、バイ菌が増えにくい根本的な解決は、本当にしているでしょうか??

あなたは、部屋のお掃除をしますね? でも、いつもキレイにお掃除しているのに、ホコリのたまるところは一緒。 ごちゃごちゃと物が置いてある所は、ホコリもたまりやすい。。。 やっぱり、きれいに整頓しないと、ダメかなぁ。。。

では、お口の中に置き換えて考えてみましょう。 バイ菌の増えにくい『環境づくり』が大切だと思いませんか? 実は、とっても単純なことなんです。

真面目なあなたは、きっと、毎日の予防処置やアシスタントワークに追われて、なかなか気づかなくなっているかも知れません。 歯並びが悪いところは、いくら一生懸命 PMTC、スケーリングを頑張っても、すぐに汚れてしまいます。あなたも、患者さんも、頑張って磨いているのに、歯肉炎になってしまいます。




わたしたちは、そもそも、バイ菌が繁殖しにくいような、お口の環境を作ることに、力をいれています。 その一つが、わたしたちが実践している、健康的非抜歯矯正治療です。

あなたの『矯正治療』のイメージは、どんなものですか? 歯並びの悪いのを、キレイに並べる。     

 もちろん正解!

じゃあ、とにかくキレイに並べればよいのか? 方法はなんでもよくて、歯を抜いたり、削ったりして、デコボコの見た目だけを整えればよいのか???



ちょっとここで、わたしの学生時代の話を聞いて下さい。 私の中には、今でも学生のときに感じた矛盾が残っています。

ある日の学校での一日。 午前中の講義――歯周病学  

歯周病とは?  歯周病になる原因  歯周病の症状  歯周病にならないための予防  歯周病になってしまったときの治療法       

以上、どれも歯を保存(歯を残すための学問)しようという考え方でした。 歯周病学では、歯を抜いてしまうのは、最後の手段。 抜いてしまわないように、抜けてしまわないように、『一生懸命、歯を残すんや!』 先生の言葉、1本の歯に対するこだわりを感じます。 8020運動の話も出てきます。 80歳で20本の歯を残そう! 人間は親知らずを除くと、28本の歯があります。 8020では、 28本-20本 ...  実は、8本失うことになります。 8本というと、結構な数です。 上下左右の奥歯2本ずつが抜けてしまう計算です。 あるいは、上下の前歯4本ずつが、抜けてしまうことを想像しても良いでしょう。 その8本は 『残念ながら失う』というのが、常識的ではないでしょうか。 当たり前ですが、80歳で20本になっても良いわけでは、ありません。 20本という定義は、20本あれば、なんとか食生活を自分の歯だけで維持できる、最低限の本数、ということらしいです。 あくまでも、快適に、健康的に、というわけではなく、最低限、です。 わたしも、せめて8020を達成できるように、みんなの歯を守らなければと思って、講義を終えたのでした。

午前の講義を終えると、いつものように、大学のとなりにある大阪府の合同庁舎の食堂へ、300円を握りしめて出かけます。 いつも、カレーライスを食べていました。その時期は、毎日、飽きもせず、カレーライスばかり食べていました。 仲良しの、福村くんと藤井くん(この2人とは出席番号が3人並びでした。実習も助けてもらった恩人です。)に『古田は、いっつもカレーしか食わへんなあ』と言われながらも、必ずカレーを食べていました。どうも、その頃から、ひとつの物事に集中(執着?)するのは変わらないようです。 おなかもふくれたところで、午後の講義へ突入です。

午後の講義――矯正学  

歯並びの分類  歯並びは、なぜ悪くなるのか?  歯並びが悪いと、どんな弊害があるのか?  歯は、どうして動くのか?  歯並びを良くするには、どうすればよいのか?   

矯正の講義は、他の講義とは少し毛色が違っていて、美しさ、きれいさを求める部分が多くあります。もちろん、歯並びや咬み合わせが悪いと、虫歯や歯周病になりやすくなるという説明もありました。

しかし、歯並びを良くする方法、きれいに並べる方法の話になると、一転、健康な歯を抜く話になります。 埋まっている親知らずなどではなく、見えている、何でもないキレイな歯を、です。 しかも、10代のときに抜いてしまうというのです。 よく抜歯の対象になるのは、前から数えて4番目の歯です。 前歯をキレイに並べるには、仕方ないと言っています。

ん? 待てよ? 午前中は、歯周病の講義だった。   8020を達成するためには、歯を一本も減らさないように、頑張って、歯を守るのが、僕たちの仕事なんだって、先生は熱く語っていたな。。 いま、目の前でしゃべっている先生は、生えている歯を4本抜いて、キレイに見た目を整えましょうと言っている。 でも、これじゃあ、10代のときに、24本になってしまう。 8020達成までに、あと4本しかない。あと70年もあるのに。。。 せっかく、キレイな歯並びにしようと思ったのに、歯は減ってしまうのか? 本当に仕方がないのか?

学生のときに感じた素朴な疑問でした。 いま、歯科医になって12年経ちますが、学生のときに習った健康な歯を抜歯する矯正治療法は、していません。今までも、したこともありません。

自分の歯で一生過ごすこと。 そのための究極の予防。 自分の歯が失われることなく、美しく保てるのなら、健康に過ごせるなら、最も幸せなことではないでしょうか?

また、何も加工していない、自然な自分の歯がきれいであることは、究極の審美ではないでしょうか? あなたは、どう思いますか?

 



これからが本題です。

わたしたちは、究極の予防と審美を、本気で考えています。 ですから、 予防によって歯の削除を避けられる小さな虫歯をも、

削って・つめる・お金をいただく

というパターンを持っていません。 きっちりとした検査診断をもとに、治療計画を立てて、助けられるはずの健康な歯を、  

抜いて・並べて・お金をいただく

というパターンをもっていません。 いくら、たくさん歯を削ってお金を頂いても、わたしたちは嬉しくありません。 健康な歯を抜いて、きれいに並べても、わたしたちの本望ではありません。
もちろん、第一選択として、歯を大きく削って、セラミックをかぶせる審美目的だけの治療法を考えません。 補綴治療は、不幸にして、虫歯や、欠けてしまった歯に対してする処置、読んで字のごとく、本来『補う』処置であると考えています。 決して、健康な部分の自分の歯を削って、失わせる処置ではないと思っています。

歯は、一度、抜いたり、削ったりすると、もう二度と戻せないのです。

長い目で見た、究極の予防を実践していくことは、 わたしたちが、気持ちよく、誇りをもって、仕事をできることにつながります。 わたしたちが、治療行為に対してネガティブな気持ちにならずに仕事に打ち込めるということは、わたしたちの気持ちも明るく、楽しくなり、患者さんにとっても、たくさんのメリットがあるものと信じています。

 



わたしは、歯科衛生士という職業が大好きです。

歯を守り、健康を守る。 複雑な社会に生きて、大きなストレスを抱えている現代人にはなくてはならない必須の職業です。

さらに、歯科衛生士の立場から、自由に削ったり抜いたりしてしまえる資格のある歯科医に対して、

『たった一本の歯の生み出す幸福・健康・大切さ』

を発信できるのではと思っています。

ぜひ、わたしたち自身も、意識の高いあなたと仕事をして、レベルアップできたら、幸せです。

今までやってきたことに、なんとなく疑問のあるあなた。 本当はもっと突っ込んだ本質的な仕事をしたいと思っているあなた。 わたしたちと一緒に、明るく楽しい歯科治療をしませんか?

~あなたは、歯科衛生士として、本当の力を発揮できます~

~あなたの能力は、限りなく伸びる可能性を秘めています~

強く思えば、通じるものです。 夢は叶います。 きっと出会えるものです。 わたしは信じています。     

 銀座みゆき通りデンタルクリニック         院長  古田 博久

 




上記の文章は、歯科衛生士の皆様をはじめ、歯科医療に携わる方々に向けて、私の考えをわかって欲しいと思って書きました。この文章を書いてから、四年が経ちましたが、今でも同じように思っています。今日も、なんとか歯を守れるように頑張ろうと思います。最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。2012.3.6 古田博久

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新

 私の父は、愛知県の田舎で小さな歯科医院を営んでいました。毎日同じことの繰り返しに見える歯医者の仕事は、当時の私には面白いと感じませんでした。しかし、現在、私が歯科医をしているのは、まぎれもなく父の影響です。

50歳を目前にし、父は右手親指に違和感を覚え病院に行きました。病気もせず健康だった父は、精密検査をはじめて受け、疲れていました。 
「ちょっとした皮膚炎だろう」。しかし、下された診断は、予想にもしない結果でした。 
―― 進行性の皮膚癌。

 父は、あまり愛想のない職人タイプの人でした。目立たない人でしたが、地域に根ざした歯科医療を真面目に取り組んできたプライドがありました。父は、いま診ている患者だけは絶対に終わらせてから入院すると言って、医師の言うことを聞きませんでした。

 ようやく患者の治療を終わらせて父は入院しました。さらに詳しい検査を受け、治療法が決まり、父は一人カウンセリング室へ呼ばれました。そこで受けた説明に父は崩れ落ちたのです。

―― 右手親指切断。

「切ったら仕事はもうできんのか......」 

落胆し小さくなった父。父の言葉を、ちょびひげを生やした同世代の主治医は根気よく傾聴していました。
 
 癌は指先の肉をえぐり、侵食していきました。その傷口から、さらに存在感を増してきた悪性腫瘍は、憎たらしい姿を曝していました。よりによって何故ここに。違う場所でもいいではないか。抗癌剤も放射線療法もほとんど効果のない相手は、誰の目にも見えるところで増殖し続けました。早く拭い去ってしまいたい。指先にちょこっとできた悪魔に、どうしてこれほどまで翻弄させられるのか。洗い流せば、つるつるとした皮膚がよみがえるような気がする。癌がどのようなものか、医学の知識のある父には十分わかっていたはずです。あり得ない晴れやかな想像をすることで、少しでも気を紛らせていく時間。患者の歯を失わせるのが嫌いだった父。歯が悪くなり抜歯を余儀なくされた患者の気持ちを頭の中ではわかっているつもりでしたが、患者の本当の気持ちはわかりません。しかし、自分の体の一部がなくなることが決定した日から、実に明確に心と体でそれを理解したのです。私にその話をする父は、いつもより丁寧で慎重でした。

 手術当日。ちょびひげの主治医は右手親指の第二関節をわずか数ミリ残して、切断しました。それは、父が歯科医であることを尊重してのことでした。義手を使うとき、その骨片があれば指が動かせるのです。手術前に、主治医は自分の患者にはいつもしているであろう慣れた手つきで絵を描いて、再度私たちに説明してくれました。手指の皮膚の構造とその手術法の絵は誰が見てもわかるような明快さでした。そして、主治医はその通りに手術を終えたことを報告に来ました。

実は、ある医師は、右手半分を切断しなければならないと言いました。医学的には、その診断は間違っていないのかもしれません。切り取る部分が多ければ、転移を免れ、死期を遅らせることができるのも事実ですから。しかし、それは父にとって間違った診断であることは、手術後すぐにわかりました。麻酔から覚めた父は、突然、私に言ったのです。

「診療所を掃除しておけ」と。
 
 一年半後、容赦なく全身に増殖していった癌細胞は、すでに捕らえることができなくなっていました。残念ながら、手術時には既に転移があったのです。体の内部まで入り、健康な組織を自由に食いつくす悪性腫瘍は、もう誰にも止められなくなっていました。襲いかかる激烈な痛みを抑えるためのモルヒネは、強い幻覚を起こさせ、父の精神をぶち壊しました。もう命は限界でした。

そして死の直前に突然目を見開いて、私を見て叫びました。

「あいつの歯を抜くな!」

病室に響く位の大声で。幻覚症状だったのかも知れません。私と一緒に仕事をすることを夢見ていた父。息子が歯科医師免許を取る8ヶ月前のことです。これから伝えたいと思っていた沢山の知識や技術や心や無念さを、父は「歯を抜くな!」という一言で表現したのでしょう。朦朧とした意識の中で、きっと仕事をしている夢を見ていたのに違いありません。
 
 私が大学6年生の8月1日、父に死が訪れました。教科書で読む無気質な医学用語である「癌」。それを現実に表わしたら、これほど壮絶なものになるのか。死とは、最後の最後、安らかなものであろうと幻想を抱いていましたが、悶え苦しむ父の姿に打ちのめされました。父のすべての機能が停止した後に初めて静かな時間が訪れたのです。
 
 葬儀の日、私は父の姿を哀れに思いました。指を失ってまともに働けなくなった歯科医の最期。壮絶な最期。静かな昇天。そして、小さな棺におさまった死に顔。それらすべてが私に哀れさを感じさせるのです。

しかし、弔問の列は私の目の前で長く長く延びていました。それは、父が歯を診ていた患者さんの一群でした。「これが父のしてきた仕事、父の足跡だったのか」。今まで何も心に入ってこなかった歯を守るための歯科医学の本質。あふれ出る涙と引き換えに、甘ったれた私の精神に、はじめて舞い降りてきた瞬間でした。

私はいま銀座で歯科医院を開業しています。患者の歯を抜かない治療を心がけています。父と息子が親子2代で継承している信念がそこにあるのです。


主治医の書いた指の切断の絵

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.29更新


私は12年前に、歯科の併設されている美容外科でアルバイトをしたこと

があります。もう潰れちゃいましたけどね......

実は、先輩に

『アルバイトしない?バイト代、結構いいよ!』

と言われて、バイト代につられて、何にも考えずに始めたのでした。

はじめての患者さんは、若い女の子でした。

『モデルのオーディションがあるので、歯並びをきれいにしたい』と。

カルテの主訴欄にはそれだけ書いてありました。

その患者さんに会う前に、

『モデルか~ どんな子だろう...』と、正直楽しみにしていました。

しかし、困ったことに、その患者さんの治療内容は、とんでもないものだったのです......


一日の診療は、朝9時から始まります。

病院に行くとその日のやることリストが置いてありました。

診察する患者さんは、一日5~6人だったと思います。

一人ひとりに対する指示が、簡単に2~3行で出してありました。

一人目の患者さんはモデルの卵。

『オーディションまでにきれいにしたい』と...

当然、彼女への治療の指示も出ていました。

その美容外科のシステムは、歯科部長が決めた治療方針に従って、

アルバイト歯科医が治療するシステム。

(でも、歯科部長って誰だろう? 一度も会ったことはありません。)

私が見た方針は、

① 上の犬歯抜歯 (左右の八重歯を抜くこと)

② 上 124 左上124 抜髄 (前歯と小臼歯、計6本の神経を抜くこと)

③ テンポラリー セット (削った歯に仮のプラスチックの歯をくっつけること)
です。

え~!! 犬歯抜くの??

どうしちゃったの~?

ムシバだらけなのか?

犬歯は、歯の中で最後に抜けるくらい、丈夫で、しっかりしています。

ですから、かなり悪くならない限り、抜きません。

キレイなモデルさんと、あまり手入れされてない口の中とのギャップを想像して、少しがっかりしました。

しかし、その心配はまったく違う方向に行ってしまったのです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


今日の処置内容を見てから、ほどなく患者さんが来院されました。

会った瞬間に、犬歯が飛び出た いわゆる『八重歯』が見えました。

モデルのオーディションを受けるくらいですから、すらっとして、かっこいい女の子です。

しかし、口の中を見て驚きました。

虫歯が一本もない!!!

もちろん、前歯にもない。

犬歯にもない。

ほんとに、どこにもない。

おいおい、これを抜くんか?

この犬歯を抜くんか??

『今日の治療内容はご存知ですか?』

『はい。だいたいは。』

もう一度、説明しました。 1分位でしょうか...?

話しているうちに、これから私がしなければならない処置が、

とんでもなく乱暴であることに気づいてしまったのです。

そしてあまりのショックに、何もしゃべれなくなってしまいました。



なぜか早くしないといけない気がして、すぐに処置に入りました。

麻酔をして、犬歯(八重歯)を抜く準備をしていました。

ふつう、健康な歯は抜きません。

そりゃそうでしょ?

歯を抜くなんてよっぽどですよ。 あたりまえですよね!

あれこれ準備している間に、学生時代のことを思い出してきました...


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僕が、大学5年の病院実習のとき、口腔外科のM先生は、

ものすごいけんまくで受話器に向かって怒鳴っていました。

『お前、こんなええ歯、わしに抜け言うんか、ボケ!』

M先生は僕のインストラクターでした。

持っていく器具を間違えたせいで、僕はその鋼の器具で頭をなぐられたことが何度かあります。
(なぐられても、また間違えてしまった)

患者さんの処置中で両手がふさがっているときは、足でけられる始末...

でも、何故か嫌な気持ちは全くありませんでした。

歯に対して熱いものを、M先生に感じていたからです。

『死んどる4番抜いて、お前が抜け言うた5番を生えささんかい。

できへんのか。アホ!』

このときは右下の歯でした。5番は4番の裏に隠れていて、

外からは見えませんでした。5番は全く虫歯がありませんでした。

4番は歯の頭が崩壊していました。レントゲン像も鮮明に覚えています。

注:4番=前から数えて4番目の歯。

どうも受話器の向こうはM先生の後輩らしい。

M先生は少し落ち着いて、電話でアドバイスしていました。

『予後不良の4番を抜いて虫歯のない舌側転位(内側に倒れている)

している5番を4番のところに矯正治療して動かしてきなさい。

4番にクラウン(かぶせもの)を作るために邪魔になっている5番を抜け言うんやろ?

そんなんしても4番はもたんで。歯根も悪いし。

5番残して使えるようにした方がよっぽど長持ちする。

天然歯にはかなわんやろ。

お前できへんねやったら、俺がやったるわ。』

僕は、M先生が一本の歯を大切にする姿勢がすごく好きでした。

『口』は最高に悪かったですけどね。。。


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そのころ私は、大学病院の口腔外科(こうくうげか)に在籍していました。

口腔外科とは、口の中の外科を専門に行うところです。

ですから、埋まっている親知らずを抜いたり、

ムシバでボロボロの歯を抜くのは慣れていました。

しかし、健康な犬歯を抜いたことがなかったのです。

でも、私以外に誰もいません。

やっぱり、抜くしかないのか...

そして結局、なんとか抜きました。

しかし、私は愕然としました。

滅菌トレーに置いたキレイな犬歯 ......

あの感覚を忘れない。

健康な犬歯の

あの強靭さ

ねばりつくような

意地でも

体からはがされることを 拒む力......

あー 僕は、なにをやっているんだろう...

犬歯を抜いたあとは、ガタガタに並んでいる前歯の神経を全部とりました。

神経をとれば、歯はいくらでも削れます。

削ってもぜんぜん痛くないんですから。

ガタガタに並んでいる前歯の出っぱっているところを、僕は削り倒しました。

裏側に引っ込んでいる歯も、削りまくりました。

そして、そのマヌケになった歯と歯並びに、仮のプラスチックの歯をくっつけました。

上の歯だけをキレイに並べて作った、8本つながった「はりぼての歯」を、です。

しかし、この子の場合、下の歯もガタガタに並んでいました。

これは非常に困ります。

上の歯だけをキレイにしたって、下のガタガタの歯とは咬み合わない。

下の歯の飛び出たところが、上の歯と当たるのです。

でも、簡単。すぐに解決。

下の歯の出っ張ったところを、削っちゃえばいいんだから!

とりあえず、上のニセモノに合わせて、下の歯のてっぺんを削りました。

あんまりやると痛いから、ほどほどに。

ねっ! 簡単でしょ!

この処置に、見た目をキレイにする以外の目的はありません。

はじめて会ってから2時間後、かわいいモデルの卵は、

はりぼての歯を僕にくっつけられて、無表情に座っていました。

一連の治療(作業?)を終えるまでは、とりあえず必死でした。

次の患者さんもいらっしゃいますからね。

僕が犬歯を必死で抜いている部屋のとなりで、

別の医師が脂肪吸引をやっていました。

年上の手慣れた看護師が、僕のところに吸引したドロドロの脂肪を持ってきます。

「見てみてー、いっぱい取れたよー!」

僕は、美容整形に偏見はありません。

むしろ、その人が豊かな人生を送れるのなら、良いことだと思っています。

美容整形によって身も心も生まれ変わった人、たくさん知っています。

美容整形は主に外科処置だから、痛いこともあり、大変でしょう。

しかし、通常の美容整形の幸せなところは、

ほとんどが「再生する組織」を相手にしているところです。

皮膚でも、粘膜でも、骨でも。みんな再生する力を持っています。

でも、僕がやってしまったのは、「歯」です。

歯は再生しません。

厳密には、わずかに再生しますが、一度抜いたり、削ったりすると、

決して元の形には戻りません。

「歯」って、すごいものなんですよ。

こんなに固い部分、体中探しても、どこにもないんですよ!

動物は、歯がなくなったら死にます。食べられないからです。

人間だって、同じです。

しかし今は、もし歯がなくなっても、歯医者に行って入れ歯を作れば食べられます。

当たり前のように口で食べる喜びを感じられる『人工臓器』があることは、

本当に嬉しく素晴らしいことです。

でも、だから、歯を粗末に考えていい訳ではありません。

簡単に抜いたり削ったりしてもいいんじゃないんです。

天然に、自然に、勝るものはないですから。

生まれ持った歯は、ほんのわずかなホコリ一つも感知できます。

これほどまでに優れたセンサーは、人工物では表現できません。

僕は、この日の処置中、歯や体の健康なんて、考えていませんでした。

『一生、自分の歯で食べよう!』 なんて、みじんも思いませんでしたよ。

みなさん、どう思いますか?

歯を守らない歯医者なんて、必要ないですよね。。。

あのモデルの卵の女の子。

あんなにメチャクチャに歯を抜いて、歯を削って、いつまでもつのだろう。

平均寿命は80歳。

あと60年も生きるのに......

今でも心配です。自分でやったことだけど。

私は、健康な歯を抜いて、削り倒して、はりぼての歯を作りました。

20歳そこそこの、まだまだこれからの人に、病気でもない歯に、

痛くもなんともない歯に、見せかけのニセモノを作りました。


実は、

全国の歯科医院で、僕のしてしまったことと同じことを

数え切れない程の歯医者が、毎日毎日やっています。

そう、一度抜いたり削ったりしたら、もう二度と戻せないことをしているんですよ。

本来、歯の治療には、ものすごく気を遣わなければならないはずです。

でも実際には歯医者に行けばどんどん削られる。

見た目をキレイにするために、健康な歯を犠牲にする。

虫歯で小さな穴ができれば、必要以上に歯を削って、

大きな銀歯を入れて、治ったと言われる。

矯正治療だって、健康な歯を抜いて、隙間を作って、

歯を並べて、治ったと言われる。

なにが治ったんだよ!

削ったって、治ってないよ! 歯は戻らないんだよ!

ほんとにいいの?

あなたの歯、そんな扱いじゃイヤでしょ?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


処置の後、患者さんに歯の状態を見ていただきました。

ほとんど無表情に鏡を見ていました。

どう思ったのだろう?

やっぱり変だと思ったのだろうか?

それとも、八重歯がなくなって良かったと思ったのだろうか?

わかりません。

ただ、今なら、僕はこの処置を絶対にしない。

もっと健康的に歯の治療が出来ることを知っているから。

抜いたり削ったりして、いい加減な『はりぼて』をくっつけたら、

どうなっていくのか知っているから。

なにが 歯の美容だ。

歯なんか、なくなっちゃったじゃないか!

僕は、いつもよりほんの少し高いだけのアルバイト代に目を奪われて、

大切に思っていた歯への想いを忘れてしまった。

あぁ。僕を育ててくれた恩師、先輩、患者さん。

みんな、ごめんなさい。

もう、僕の心は、ぶれませんから。


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私は、その日、歯医者になって初めて、健康な犬歯を抜きました。

もう二度とやるまいと思いました。

あんなに嫌な気持ちになったことは、ありません。

はじめて会って、すぐ処置するシステム。

だからこそ、健康な犬歯を抜く貴重な経験が出来ました。

すぐに歯並びをキレイにしたいという欲求。


その欲求に対する即日処置。

それはそれで成り立っているのでしょう。

でも僕は、歯の大切さ一つも言わなかった。

歯って、こんなに大事なんだよ。

大事にすれば、一生使えるんだよ。

いたわってやろうよ。

なぜ、言わなかったのだろう。

なぜ、伝えなかったのだろう。

それが、僕の仕事なのに。

実際に健康な犬歯を抜いてしまった自分のことも嫌になりました。

もう、矯正治療であっても健康な歯を抜かないと思いました。

僕は、たった一日のアルバイトで、

一生涯の仕事に対する姿勢を決める貴重な体験をさせていただきました。


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アルバイトのあと、映画館で『レオン』を見ました。

とても感動的な作品だと聞きました。

でも、内容が全く思い出せません。

思い出すのは、あの犬歯のことばかり......

患者さんの顔さえ、思い出せません。


あれから14年経ちました。

あの子の歯は、どうなっているのだろう...

人工物は自然の歯には、かないません。

必ず接着材料は劣化し、自然修復されない細かなひずみ・・・も出てきます。

天然の歯の、体重以上になると言われている噛む力をしっかり受け、

しかも、瞬時に力を感知してわずかにたわむ、まるで計算しつくされたかのように

精巧なクッションのようなしなやかさ。

近づくことはできても、勝ることはありません。

もうこれ以上、自分の歯を犠牲にしないでほしい。

そうそう、彼女の夢はモデルさんになることでした。

あれだけの歯を犠牲にして夢に向かっていた彼女は、

はたして夢をかなえることができたのだろうか?


■ 潰れちゃった美容外科 ■ ~ 終わり ~



2012年3月29日

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

2012.03.02更新

、いつも歯の治療のときに使っている拡大鏡が壊れてしまった。

これがないと非常に不便なので、早速、拡大鏡の修理に出かけた。

今は、歯科メーカーからもカッコいい拡大鏡が出ている。

しかし当時は、機能は問題ないがカッコ悪く、

7年前にフレーム部分をオーダーメイドで作って頂いた。

当時、メガネ屋さんを10軒は回ったと思う。

しかし、ややこしい拡大鏡付きフレームなど誰も相手にしてくれず...

はじめて一緒に作ろうって乗ってくれたのが、恵比寿 g-room 。

嬉しかった。

僕の耳の位置や目の高さなど、色々測って作った力作である。

オーナーは、こだわりの職人気質。スタッフも然り。

極めてindividualな(個々の)対応となることは至極当然であろう。

同じ匂いを感じてしまうのは、僕の貫く自由診療の考えと

似ているからだと、僭越ながら思う。

拡大鏡の修理ついでにビンテージのメガネを物色。

いつか、歴史の重みのあるメガネをかけられるような

大人になりたいと思っている。


【古田愛用の拡大鏡】

投稿者: 銀座みゆき通りデンタルクリニック

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